diXコーティングとは、当社独自の製法により精製された高純度の原料を化学蒸着法(CVD)という特殊なコーティング技術を用いてお客様の大切な製品を様々な外的要因から保護することを目的として高機能性のパリレン膜を付与するものです。
diXコーティングは、鋭利なエッジ部や液状コーティングでは覆うことができない微細な凹凸や隙間のある部品形状にも追従する、均一でピンホールの無い無色透明でコンフォーマルな保護膜を提供します。
diXコーティングは、絶縁性・防湿性・耐薬品性に優れ、耐熱性や耐候性などにも対応できるグレードも取り揃えており、医療機器、電気・電子部品、自動車部品、航空・宇宙・防衛などのあらゆる分野においてお客様の製品を陰ながらお護りします。
ポリマーの一般的構造式
diXの基本構造はベンゼン環の両端にメチレン基の付いた構造をしており、重合することで非常に安定な無色透明のポリマーとなります。更にベンゼン環を様々な官能基で修飾することで多種多様な特性を発現させることを可能にしました。
コンフォーマルコーティング
diXコーティング膜の元となるモノマーは被着体を設置してある蒸着室内で何度も衝突を繰り返し、コーティング膜に成長します。その為、コーティング膜は露出面だけでなく、複雑に入り組んだ構造(溝、穴)の中にまで均一に進入して、被着体を保護するため、液状コーティングでは制御困難なエッジ部や微細加工部分への被覆性が良好です。
また、蒸着室内に供給するモノマーの量を制御することで、0.01μm~50μmまでの微細な膜厚コントロールが可能であり、要求に応じた精度の高い膜厚を提供する事が可能です。
熱ストレスがかからないプロセス
diXの重合に熱は必要ないので、蒸着室内は室温に設定されています。また、モノマーは熱分解によって生成されていますが、流れてくるモノマーガスの圧力は低いので、熱容量は非常に小さく、従ってモノマーが対象物に接触した際に与える熱エネルギーも非常に小さなものです。結果として、蒸着中の対象物の温度上昇は数℃程度です。
クリーンルーム対応
diXコーティング専用のクリーンルーム設備を設置しており、ご要望に応じてクリーンルーム環境でのコーティングにも対応いたします。
目視による識別可能なグレード
diXコーティング膜は無色透明です。コーティング後の検査、選別を容易にするため蛍光特性を付与したグレードもあります。紫外線ライトを照射することで発光するため、コーティング膜の有無が容易に判断できます。
※「diX®」は当社の登録商標です。
※「パリレン」は米国Specialty Coating Systems, Inc.の子会社である日本パリレン合同会社の登録商標であり、ライセンスに基づき使用しています。